三段オチの作り方

大喜利をする時に使うことがある「三段オチ」。
そのやり方について書いています。

はじめに


これからご覧いただく記事の表現について。
文章中の語句に「三段オチ」と表記していますが、「三段落ち」という表記のほうが一般的です。
私のブログでは漫才における表現を「フリ」「ボケ」「ツッコミ」というようにカタカナで統一しているので、「落ち」も「オチ」としています。

三段オチとは?


一段目と二段目、そして三段目に「共通点」を作ります。
ただし三段目(最後のボケ)には一段目と二段目の流れに合わせない「ギャップ(意外性)」も作ります。
三段オチを式にするならば、「AA > AA > AB」となります。
Aという流れを最後まで作り出しつつ、最後にBという意外性も作り、流れの変化に気づかせて面白みを作り出すのが三段オチになります。

例文


大喜利風
お題: 童話『桃太郎』に登場する3匹のけらいとは、何?

どんなに振りほどこうとも、噛み続けるイヌっ!!
防ぎきれないほど、ひっかき続けるサルっ!!
きびだんごをのどに詰まらせているキジっ!!

「動物」という共通点がすべてに含まれています。
ただし一段目と二段目は「強い動物」を表現していますが、三段目の動物だけは「頼りない」表現をして「意外性」が発生しています。

トーク番組
司会者「好きな歌は?」
1人目「中島美嘉の『雪の華』
2人目「TOKIOの『花唄』
3人目「ジョンジョリーナ・アリーの『鼻毛ボー』
司会者「『鼻毛ボー』って、すげぇタイトルだな(※最後にツッコミ)」

※「歌手名と曲名を挙げる」という共通点がすべてに含まれています。
ただし一段目と二段目には「まっとうな曲名」ですが、三段目は「ふざけた曲名」になっていて「意外性」が発生しています。

コント
タイトル: 5人戦隊ヒーロー

アオレンジャー
ミドレンジャー
キレンジャー
モモレンジャー
アカイヒデカズじゃ~っ
「……。」
「っはい、ちょっと集~合~。いま、誰か間違えたよね?挙手っ」
「……。」
「おまえやろっ!なんでナニワのロッキーやねんっ!!
 どついたろかっ!!」
「……オレたち五人そろって、五段オチじゃ~っ」

※戦隊モノのヒーローの名前には共通点を必ず含めます。例文では自信を名乗るときに「ジャー」という言い回しを使っています。
そこで強気な関西弁「じゃ~!」という言葉遣いをする印象?のタレントの赤井英和さんを最後(五段目)に使い、次々とヒーローが登場する中、なぜか最後にタレントが混じっている、という流れになっています。

三段目


最初に、三段オチの式として「AA > AA > AB」と挙げましたが、これを「AA > AA > BB」にしてみたらどうなるのでしょうか?

どんなに振りほどこうとも、噛み続けるイヌっ!!
防ぎきれないほど、ひっかき続けるサルっ!!
はだしでかけてく陽気なサザエさんっ!!

上記は動作+生物で共通点を作り、最後に桃太郎のけらいとは関係のないサザエさんを使っています。
少しずらしてみましたが、まだ言葉の並びの雰囲気が共通している感があります。

どんなに振りほどこうとも、噛み続けるイヌっ!!
防ぎきれないほど、ひっかき続けるサルっ!!
今日は特売日っ!!なんと玉子1パック98円っ!!

意外性を強めすぎると、上記のような感じになります。
(語呂は良いですが、)三段目にそれまでとの共通点がなければ極端すぎる印象を受けると思います。
三段目には必ず意外性だけではなく、共通点(同一性)も入れるのが三段オチのコツになります。

大喜利企画で行う場合の注意点


トーク(会話)やフリップ(回答を書き込む紙)を交えた大喜利企画において、複数の回答者が連携して○段オチを完成させる場合にはちょっとした注意点があります。
それは、回答者が前の回答者に続いてテンポよく回答を披露しなければ、回答の関係性の流れ(共通点)が時間の経過と共に観客の記憶に残らなくなります。
回答の前後にあれこれ会話をはさむと、回答と回答との「共通点」が分からなくなり、個別の回答として受け取られてしまいます。
そのため「速めの回答」を心がけることを回答者は事前に打ち合わせをしておくか、もしくは空気を読んで行うことが求められます。

テキストには不向き?


三段オチというのはテキスト(大喜利サイト)でやるものではなくて、どちらかといえばバラエティ番組『笑点』のように実際に人を並べて行うのが理想になります。
次々と答えていく流れの中で、最後に回答する人が大ボケをかまして「なにやってんだよっ!!(笑)」という“ノリ”でやるものだと思います。
個性豊かなキャラをした人が声を出しながら回答を続けて、最後に何が来るかな?と期待したら大ボケが待っている、という意外性が面白さに結び付きます。
ただし、それをテキスト(文章)で行うとなると、閲覧者が自分の頭の中で回答文を自分の声で淡々と読み上げるわけなので、“ノリ”がなく面白くなりにくいのです。

複数の人が回答するのではなく、個人で3つとも回答する。
演者が回答を読み上げるのではなく、閲覧者が黙読する。
これらは三段オチに不向きな大喜利のやり方です。

みんでまじめに大喜利をやろうとしているのに、最後の人だけがふざけている。
最後の回答者も含め、回答者全員が空気を読んで一つの流れを作り出し、面白さを作ろうとする。
そういった演者を介して作り出すのが三段オチの本当のやり方なんですが、時代の流れとともにインターネットで大喜利をしよう、テキストで三段オチをしよう、というやや不向きな使い方をされる人が増えたのかもしれません。

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