コントの書き起こし/サンドウィッチマン

コント大会『キングオブコント2009』で惜しくも準優勝になったサンドウィッチマンさんの一本目のネタを書き起こし。
漫才大会『M-1グランプリ2007』優勝者のコントテクニックが一目で分かるようになっています。

書き起こしの読み方


  • ネタの展開がわかりやすいように、全体を「起承転結」で区切っています
  • 「■マーク」で、一つ一つの「笑いを誘う工程」を区切っています
  • ( )内は、一方がセリフを言っている最中に、もう一方(相方)が割り込むセリフです
  • (※ )内は補足の説明です
  • ボケ担当・富澤たけし(店員役) ≫ 「富」と表記しています
  • ツッコミ担当・伊達みきお(お客役) ≫ 「伊」と表記しています

1. 起


富「(※舞台上にいるところから始まる)30円のお返しです。ありがとうございました~」
伊「(※舞台袖から現れる)………あら?昨日の夜まで何もなかったのに、ハンバーガー屋ができてるな。
…興奮してきたな。
ちょっと入ってみるか。んんっん(※自動ドアが開く音を声でマネる)」


2. 承


富「いらっしゃいませこんちはっ!いらっしゃいませこんちはっ!いらっしゃいませこんちはっ!」
伊「ブックオフかっ!!お前。
うっせえ何回も。一回で良いんだよ一回で」

富「こちらでお召し上がりですか?」
伊「持って帰るよ」
富「ソルトレイクのほうで?」
伊「テイクアウトッ!!」
富「テイクアウト?」
伊「何だソルトレイクって。なんで俺、冬季オリンピックなんだ。
持って帰る、持って帰る。

……メニューメニュー(※メニューを探す動作)」
富「(※半笑いで)お客さん、踏んでますよ」
伊「何で下にあんだよっ!!
上に置いとかな。全然見えなかったよお前。

どっしよっかな~。じゃあ、ビックバーガーセット」
富「ビックバーガーを千個?」
伊「業者かっ!!
どこに売りに行くんだよ。仕入れて」
富「今からお作りしますんで、5時間少々よろしいですか?」
伊「バカじゃね~の。なんで5時間もかかんだよ」
富「千個となったら厨房の…」
伊「千個じゃねっ!セットだっ!!」
富「セット?」
伊「セット一個」
富「セットお一つ?」
伊「あたりめ~だろ」

富「お飲み物はどうされますか?」
伊「飲み物ね~。このバナナシェイクでいいや」
富「バナナシェイクで。
サイズのほうS・M・A・L・Lがございますけども?」
伊「スモールつってんだろっ!!(はい)
なんでちっちぇのしかないんだよ」
富「おっきいコップがまだ来てないもんで」
伊「コップないんだ(すいません)。オープンすんな、あわてて(はい)。じゃあ、ちっちゃいのでいいよ」
富「はい。

ご一緒にビックバーガーセットはいかがですか?」
伊「太るわっ!!お前。
普通、なんかサイドメニュー(サイドメニュー?)サイドメニューみたいに」

富「ご一緒に(※「ポテト」のような発音で)ホタテはいかがですか?」
伊「ホタテつっちゃったお前。ポテトみたいにホタテつっちゃった」
富「ご一緒に~(※二人で同時に)ホタテッ!は…」
伊「何で一緒に言わなくちゃならないんだよお前は。
何でホタテって気持ち悪りぃ」
富「お二つ?」
伊「いらね~よ(以上で?)以上」

富「それでは厨房のほうを振り返ります(※うしろに振り返る動作)」
伊「注文繰り返せよっ!!何があったんだよ厨房で」

富「注文のほうを繰り返します」
伊「繰り返せよ早く」
富「ビックバーバーセットがお一つ。
お飲み物バナナシェイクでよろしかったでしょうか?」
伊「おい、ちょっと待てよ(はい?)。
おまえさ、『バナナシェイクでよろしかったですか?』って言ったじゃん(はい)。
俺、その言い方大っ嫌いなんだよ(はい、すいません)。
最近、若いやつ言ってるじゃん」
富「はい。
お飲み物バナ~ナシェ…」
伊「そこじゃね~わっ!お前。
誰がそんなバナナの発音にこだわって。
よろしかったですか?のところ」
富「ですかっ!!のほうですかっ!!」
伊「うっせ~なっ!ですかっ!!ですかっ!!
ブックオフかっ!!お前はさっきからよ。
作らせろよ早く」

富「ビックセットワン、バナナシェイク、プリ~ズヘルプミ~」
伊「何で助け求めてんだよ」
富(※レジのボタンを激しくたたく動作)
伊「ヘルプミ~はおかしいだろ」
富「お会計630円になります」
伊「すげ~たたき方だなレジ。
YOSHIKIみて~になってたよこうやって(※ドラム演奏の仕草)」
富「カルロスのほう?」
伊「トシキだよ、それは。カルロス・トシキってオメガトライブじゃね~か。懐かし~な。


3. 転


いくら?」
富「630円です」
伊「630円な。ちょうだ、ほら」
富「30円のお返しです」
伊「600円じゃね~かよ、じゃあ。
なんで30円とんだよ」

富「あと、こちら500円以上お買い上げの方に差し上げてるんですけど」
伊「なんかもらえんの?」
富「レシートです」
伊「レシートじゃね~かっ。
全員に渡せ、これはっ」

富「お箸は二膳でよろしかったですか?」
伊「一膳もいらね~よ。ハンバーガーだぞ」

富「シェイクのほう、砂糖とミルクをお付けしますか?」
伊「糖尿になるわっ!!なにかけてんだよ。
ドロッドロッじゃね~かよ」

富「(※出来上がったハンバーガーを取りにいく動作)
お待たせしました。こちら、つまんないものになります」
伊「なんでつまんね~んだよっ。
俺が欲しくて金払って買ったんだよ。詰まるんだよ、詰まる物だよ」


4. 結


富「今キャンペーンやってまして(キャンペーン?)
こちら、スクラッチ削ってもらってよろしいですか?」
伊「おっ!なんか当たんの?」
富「ちょっとなに言ってるかわかんない」
伊「なんでなに言ってるかわかんないんだよ。
当たるか当たらないか聞いてんだよっ」
富「色々な賞品が当たります」
伊「当たんの?おっ!なんか出た」
富「おめでとうございます。一等ですっ!!」
伊「一等っ?!一等なにもらえんのっ?」
富「(※「ポテト」のような発音で)ホタテになります」
伊「(※「ポテト」のような発音で)ホタテッ」


ネタの分析


舞台ハンバーガーショップ
テーマ商品購入
フリ富澤たけし(店員)・伊達みきお(客)
ボケ富澤たけし(店員)
ツッコミ伊達みきお(客)
ネタの特徴伊達みきお(例えツッコミ)

サンドウィッチマンさんは「ボケたらツッコミを入れる」という「漫才のようなコント」をしています。

ボケ担当の富沢さんが行うボケのレベルが高いこともさることながら、ツッコミ担当の伊達さんの「例えツッコミ(※相方が行ったボケを何かに例えてツッコミを入れる)」がサンドウィッチマンさんの「ネタの個性」になっています。

また、書き起こしの赤字の部分を見ていただいたら分かると思いますが、ネタ中に同じ発言を2度行っています。
これは「天丼」というお笑いの技術で、一度行ったやり取りを時間が経過してからもう一度行う笑いの誘い方です。
つまり、細部では別の何かに例える「例えツッコミ」で細かく笑いを誘い、さらにネタ全体では前後につながりを持たせる「天丼」を使ってネタの全体の流れで笑いを誘っています。

このように緻密に計算されてネタが作られていることが分かると思います。

ちなみに、コント大会『キングオブコント』決勝の持ち時間は4分です。
大会に挑むにあたって、この「ハンバーガーショップネタ」は3分40秒で行うように作られていたらしいです。
しかし、あせって話すスピードが速くなったらしく3分で終了し、結果的に40秒も短縮してネタを終えていました。
漫才大会『M-1グランプリ』で優勝した経験を持つサンドウィッチマンさんでさえ、大会の張り詰めた空気に飲み込まれたようです。

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