絵と展開の構成力を高めるコマの描き方

コマの作り方についてまとめています。

コマの形


小さいコマ
コマの形を小さいサイズにします。
もし作品中に小さなコマを使わずに大きなコマばかり使うと、コマの大きさに対比が出ないので絵にメリハリがなくストーリー展開的にも盛り上がりに欠けます。

  • サイズを表現(小さいコマと大きなコマを並べ、コマのサイズを対比させて「小さい」という意味を持たせる)
  • 大きさの前置き(小さいコマと大きなコマを並べ、コマのサイズを対比させて大きなコマのインパクトを出すための前置きとして使う)
  • 圧迫感を作る(キャラクターや物などの環境や心理状態などに圧迫感を作る)
  • 圧迫感の前置き(小さいコマを並べることで、キャラクターや物などの環境や心理状態などに圧迫感を作りだしてから大きなコマを使って開放的な気分にさせるための前置きとして使う)
  • 注目を集める(小さいコマと大きなコマを並べ、大きなコマに存在する何かの一部分を強調する)
  • リズムを作る(小さいコマを並べ、吹き出しまでの視線の移動距離を狭くすることで作品を読む際にリズムを持たせる)
  • 読み飛ばせるコマを作る(「補足的な展開の小さいコマ」を作る。※読み飛ばしても「縦に並んだ肝心な大きなコマ」だけで展開が成立するようにして、インパクトのある大きなコマだけで読めるようにし、インパクトを持たせつつスピード感のあるコマを作る)

大きいコマ
コマの形を大きいサイズにします。
インパクトのある展開をしたいときに使うことが多いです。
作品全体を「起承転結」に分けた場合、「起(※読者に作品に対して興味を持ってもらうため)」「転(※波乱の展開)」「一番最後のコマ(印象を残して終わらせるため)」で使うことが多いです。


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横長のコマ
コマの形を横長にします。

  • 流れる動きを作る(視線を一定の方向に長く動かさせることや効果線を長く描くことでスピード感を出す)
  • 中間を表現する(コマの左右に注目を集める何かを配置し、その中間に何かを描写して真ん中に配置されていることを強調)

縦長のコマ
コマの形を縦長にします。

  • 流れる動きを作る(視線を一定の方向に長く動かさせるや効果線を長く描くことで縦方向へのスピード感を出す)
  • 進退(足元まで描いたキャラ同士の配置から移動していることを表現※キャラを上のほうか、下のほうに描くかによって意味が変わる)

斜めのコマ
コマの形を斜めにします。
を表現する時に使うことが多いです。

  • 勢い(コマ枠の斜めの線からシャープなイメージを作り出し、展開に勢いの印象を与える)
  • 意外性(作品全体を「起承転結」に分けた場合、「転」で使い、コマの形でも「転(意外性)」を出す)

アングルの勉強用リンク集

コマの流れ


同じ形のコマを並べる
コマの形を同じにして(絵の構図も近づけることで、)「行動と結果」「最初と最後」「展開のリズム(一連の流れ)」など、流れを作り出すことができます。
「コマA(振り) ≫ コマB(受け)」
例: ボールを投げるキャラ ≫ ボールを受け止めるキャラ

または「同時」や「対峙」を作り出すことをできます。
「コマA(似た展開) ≫ コマB(似た展開)」、もしくは「コマA(似た展開) ≫ コマB(似た展開) ≫ コマC(似た展開)…」
例: 「A『なんだとっ!!』 ≫ B『まさかっ!!』 ≫ C『そんなっ!!』」

コマの大きさを拡大させる
「コマ小 ≫ コマ中 ≫ コマ大」もしくは「コマ中 ≫ コマ大」にすることで、徐々に展開や感情が核心に迫っているようにできます。
例: 「(コマ小)A『なにかがおかしい…』 ≫ (コマ中)A『確かBはあそこにいたはず…』 ≫ (コマ大)A『ま…まさかっ!!』」

流れを受ける
一定のコマの流れのあとに違うコマを作って流れを受け止めます(展開を一区切りさせる)。
  • 「コマA(振り) ≫ コマB(振り) …別の形のコマで受け」
  • 「コマA(同) ≫ コマB(同) …別の形のコマで受け」
  • 「コマ小 ≫ コマ中 ≫ コマ大 …別の形のコマで受け」
  • 「コマ大 ≫ コマ中 ≫ コマ小 …別の形のコマで受け」

例: 「(コマ小)A『なにかがおかしい…』 ≫ (コマ中)A『確かBはあそこにいたはず…』 ≫ (コマ大)A『ま…まさかっ!!』≫ (コマ中横長)A『そうかっ!!だからあの人はあんなことを言ったんだっ!!』」

コマのポイント


左ページ
左ページの一番左下のコマは、緊張感を出す、ピンチな状況を生む、謎を生む、などの展開にします。
ページをめくる前に読者にドキドキ感を与えることができます。

右ページ
右ページの一番右上のコマおよび右ページは、インパクトを出す展開にします。
ページをめくった瞬間、読者に驚きを与えることができます。

新作の序盤のコマ
新作作品の場合、ストーリーの冒頭は大きなコマを使い、絵で読者をひきつけるようにします。
冒頭以降に、キャラクターの説明展開やテーマの説明展開を起こす必要があり、小さなコマで説明臭く(文章が多く)なるので飽きられやすくなります。
事前に絵で読者をひきつけておくことで、説明臭い展開を乗り切るための戦略になります。
特に低年齢層の読者は、文章よりも絵を好む傾向があるので、大きなコマを使っておく必要があります。

連載作品の最後のコマ
連載作品の場合、最後のコマで緊張感を出す、ピンチな状況を生む、謎を生む、などの展開にすることで読者に次回を期待させることができます。

枠の外
枠の外を黒くベタ塗りして「過去のシーン(時間をさかのぼった展開)」「回想のシーン(誰かの記憶をたどる)」など、現在進行形の時間以外のシーンを表現することができます。

コマの勉強用リンク集

コマの構造


4辺
枠は上辺・右辺・下辺・左辺。

枠の種類


枠4辺あり
4辺とも線をひきます。

枠1辺無し
4辺のうち1か所だけ線を描きません。
※本のとじ込み側の辺や下にコマがある辺を無しにしてはいけません。
ただしインパクトのある展開を起こすとき、レイアウト的にページをまたいだコマを描くこともあります。
※枠1辺無しの場合、線は用紙いっぱいに描きます(絵が切れないように)。

枠2辺無し
4辺のうち端が2か所だけ線を描きません。
※とじ込み側の辺や下にコマがある辺を無しにしてはいけません。
※枠2辺無しの場合、線は用紙いっぱいに描きます(絵が切れないように)。

枠なし
4方向のうち4方向とも線を描きません。

見開き1ページ枠なし
片方のページの枠を無しにします。

見開き2ページ枠なし
左右両方のページの枠なしにします。
連載作品で大きな(衝撃的な)展開のときに使用します。

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ポイント


枠は縦に4段までにしましょう。
4段より増やすとコマが小さくなりすぎます。

お役立ち記事



コマを作るときの注意点


ちなみに、少年漫画と少女漫画とではコマの割り方が大きく違いますね。
少年漫画はきっちりコマを作るのに対して、少女漫画は自由度が高いです。
少年漫画に慣れた人が少女漫画を読んだら、コマの割り方に驚かされると思います。

堅苦しい
四角に近いコマを使いすぎて堅苦しく単調な印象を与えている。
長方形や正方形ばかりを使っていたり、枠を必ず4辺ともに囲っている。
プロの漫画のコマの割り方を勉強しましょう。

視線の流れがおかしい
視線の流れがおかしくなるようなコマの形を描いている。
視線誘導の流れがズレていたり、視線誘導の先に関係のないコマにたどり着く。
読者が気持ちよく視線を流すであろうコマの形・配置、吹き出しの配置を考えましょう。

形がおかしい
違和感を感じるようなコマの形を描いている。
狭い、へこんでいる、飛び出している…、見たこともない形を使っている。
たくさんの漫画を見て標準的な形を覚えましょう。

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