日本でeスポーツが流行らない理由

ゲームをスポーツのように競技として盛り上げようとする試み。
ただ現状では日本ではパッとしない。

選手がどこの誰だか分からない


eスポーツ大会に参加する選手の詳しい情報がない。
例えるなら、広島阪神戦を東京で開催するようなもの。東京の人にとっては広島や阪神選手に興味をそそられない。
たとえプロの試合であっても選手に愛着のない試合なんて興業的に成功しない。
つまり、どこの誰だか分からない選手が対決するeスポーツ大会に興味を示すひとなんていない(※そのゲームに興味がある人だけ。でもそれだけだと興業的に厳しい)。
せめて大会を行うにあたって参加選手の写真、ハンドルネーム、出身地、座右の銘や口癖、経歴など選手情報がほしい。
もちろん個人情報を公開すると、ネット上でネタや中傷の対象になるのは避けられない。
プロ選手ならではの悩みではあるけど、これを日本のeスポーツ選手が受け入れられるかどうか?
ネット対戦であれば人前に出なくて頑張れる、と思っている選手にとっては致命的な条件。

選手にキャラクター性が無い


他のスポーツや盤上競技(将棋・囲碁など)の場合、プロになるまでの経歴やプロになってからの経歴がある。
出身校(※出身地は同郷選手への興味につながる、学校の歴史は知的好奇心を煽る)、段級位制(※直観的に実力を把握できるし、実力差が分かれば上位選手との対戦に緊張感が生まれる)、タイトル・世界戦(※経歴はとりあえず強い人に興味を持ちたい初心観戦者のきっかけになる)、世界ランキング(※日本代表者への世間の興味)など大会の結果以外でも何かしらの履歴や称号がある。
けど日本のeスポーツは歴史が浅いから参加選手の経歴に魅力がないし、そもそも経歴になるような仕組みがない(あっても大会順位ぐらい?)。

選手の実力差が分からない


eスポーツの大会にはFPS(操作キャラクター視点の対戦ゲーム)が多い。
この手のゲームは戦況(※特にチーム戦)や実力差が分かりにくいので(※両軍入り乱れるので運が絡んだ印象が強い)、見ていても盛り上がり欠ける。
雑誌『週刊少年ジャンプ』『マガジン』『サンデー』のバトル漫画作品や推理漫画作品の影響で、対決というのは魅力あるキャラクターによる肉弾戦か頭脳戦というのが日本の興味対象になっている。
FPSは操作する自キャラにストーリー性やビジュアル的な魅力がないためキャラクター性がない。操作するコマが動いているだけにしか見えない。
また、盤上競技(将棋・囲碁など)のようなじっくり戦況を観察・分析しながら対決を味わうという楽しみ方ができない。
せめてストリートファイターシリーズのような格闘ゲームでキャラにストーリー性やビジュアルがあり、また肉弾戦なら受け入れやすいと思いますが、世界のeスポーツゲーム対象がFPSばかりなので日本のゲーム観に合わない。

スター選手・スターチームがいない


野球なら王・長嶋がいる巨人、サッカーなら三浦・武田・ラモスがいるベルディ川崎みたいにスター選手とスターチームがないと、初心観戦者がだれに興味を持っていいのか分からない。
「強い」というのは初心者(にわかファン)にとっては入門としてはうってつけ。
負ける試合を見たいと思う人はいない。
つまり、実力差が画面上で分かるゲームをしていない限り、スター選手・スターチームは生まれない。
その点、FPSは実力差が分かりにくい。
また、海外大会になるまで選手がパッとしないから、学生時代から注目されるような選手の歴史が生まれない。
現時点では国内戦は地下アイドル的な扱いで、熱烈なファンがいるけどローカルすぎ。
※上記の動画を見比べたら、いかにFPSが初心観戦者にとってとっつきづらいかが一目瞭然だと思います。
格ゲーは体力ゲージとコンボや必殺技など構造が分かりやすいし、第三者視点で中立的なアングルなので戦況を把握しやすい。

ゲーム観の違い


日本はゲームをコミュニケーションツールとして使う。
ゲームの話を友達とすることで、会話の楽しみとして使う。
また、漫画やアニメが盛んな日本はゲームにキャラクター性を重視する。
結果、学生時代には他人と話が合いやすいゲームに人気が集中するので(※日本人好みのキャラクターを重視したRPGやアクション、身近なスポーツのサッカーや野球など)、一方でeスポーツに使われるような海外ゲーマー向けテイストのゲーム(※FPS・MOBA)には手を出さない(※キャラ・世界観のデザインが洋風やリアルで、マニアックな印象しかない)。
だから、ゲームに一番興味を持つ小学生から高校生までの学生時代にはeスポーツ対象のゲームからはほど遠い。

タイトルが多すぎ


新しいスポーツに興味を持つにしてもeスポーツに使われるゲームの種類が多すぎて興味を持ちづらい。
せめて一作品だけに絞られていたらまだしも、10何タイトルもあればどれに興味をもっていいのか初心者にはとっつきづらい。
また、新作が出るたびに内容を覚える必要があるので、スポーツを観戦する観客としては難儀。

観客がいない


プロスポーツでは観客の盛り上がりもゲームを観戦するうえでの一つの演出になっている。
これがeスポーツの大会ではインターネット上で行われるため、観客がいない。
そのため白熱していも戦況の興奮がまったく伝わらない。

大会に重みがない


ネット対戦の映像が配信されるだけで現実味がない。
劣勢時の苦悶の表情、優勝した時の選手のガッツポーズ、インタビューでの名言など。
大会としての位置付けが記録だけで記憶に残らない。

資金不足


リアル世界で大会を開催しても一か所に集まるには遠征費が必要になる。
当然、遠方の選手は交通費や宿泊費が掛かるが、資金難になる。
興業的にまだまだ発展していないため地方選手にとっては選手としての活動に無理がある。
結果、選手層に厚みが無かったり、選手のキャラクター性がないため興味が持てない。

eスポーツのイメージ


最近、テレビでeスポーツ選手の寮?がたびたび放送されますが、あまりにもイメージが悪い。
パソコン画面に向かってひたすらゲームをしているのが、日本の仕事観や教育観からすれば冷ややかに見られる。
パソコンの向かっての仕事としては、クリエイター業のような新しいものを生み出す仕事は受け入れられる。
趣味を実益に変える職業は色々ありますけど、現時点ではゲームでご飯を食べていくというは日本の職業観から見てもゲーム開発者(クリエイター)は良いイメージで、デバッガー(テストユーザー)やeゲーム選手(プレイヤー)はあまり良い印象を持ってもらえない。

一部の選手にマナーがない


一部のeスポーツ選手の言動がよろしくない。
スポーツは試合内容・結果だけでなく選手の魅力が重要視されるので、一部の選手によるマナーの欠いた言動はeスポーツのイメージ悪化にもつながる。
結果さえ残せばいい、という個人的なゲーム観を持っているのか、ゲームの盛り上がり以上に選手としての魅力が興業的な盛り上がりつながる、ということに全く気付いていない。
また、こう言ったマナーを管理する人間がいない?仕組みがない?
プロスポーツは紳士的な態度が要求されるので、言葉遣いが悪いとバッシングの対象にされる。
現時点ではこれといってバッシングが起こっていないので、逆説的にeスポーツ界が一般的には盛り上がっていないのが現状。

名前の違和感


そもそも「eスポーツ」って「スポーツ」って名前を付けている違和感。
スポーツって全身運動というイメージしかないから手先や腕しか使わないゲームにスポーツってつけているのはどうかと。
ゲームに対する「遊び」というイメージを払拭して「競技」という位置づけにしたいのは分かるけど、無理やり感がする。

どうすれば盛り上がる?


やっぱり実力や逆転劇が分かりやすい格ゲー『ストリートファイターシリーズ』をどこかリアルで集まって試合や選手映像を中継。
それを動画共有サイトで、生中継で、ゴールデンタイム(夜7時から10時)で。
実況者・解説者、選手のPV映像、リプレイ映像、大会の価値付け的にもセレモニーなどの演出。
イケメンゲーマーや女子ゲーマーなど、ビジュアル的なつかみも。
そういったのがないとね。
あとeスポーツに使われることが多い対戦型のFPSやMOBAを、もっと日本人好みのビジュアルにしたゲームを開発してジャンルを流行らせないと。
と言っても、『スプラトゥーン』のような子供っぽいゲームになってしまうけど。

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