すべらない話の作り方

面白エピソードをみんなの前で披露する人気バラエティ番組『人志松本のすべらない話」』。
お笑い芸人さんが面白い話を披露する番組ですが、「すべらない話」を誰でも簡単に人前で披露できるよう、「すべらない話」を手に入れる方法と作り方をまとめてみました。

そもそも「すべらない話」の作り方をまとめておきたいと思ったのには理由があります。
以前、知り合いにエピソードを話しているときに、退屈そうな顔をされたことがありました。
結構面白いという自信があったのですが、反応はさっぱり。
話をするときには、なにかしらのコツを知っておくべきなんだと痛感しました。
そこで「すべらない話」の作り方って無いのか探してみたら、以下の記事を見つけました。

人気芸人さんの話し方のポイントをつかんでいて、思わず感心の極み。
上記のリンク先のコツに、もっと具体的な「すべらない話」を作るためのノウハウを足せば、とてつもなく便利になるだろうと思い、私も分析することに。
そしたらかなり役に立つ話し方などのポイントが続出してしまいました。

「すべらない話」とは、意外性のある面白い話のことを指します。
具体的には、話のところどころに面白みがあり、オチ(※話の結末)にあっと驚くような意外性を含んでいる話になります。

では、誰だって面白い話を持っているのか?というと必ずしも持っているとは限りません。
「すべらない話」を持っている人と持っていない人との決定的な違いを分析してみました。

「すべらない話」を持っていない人の特徴


一人でいる
普段から一人でいると思考や行動が規則的になります。
二人でいるときのような意思の疎通が噛み合わないといったことがありません。
逆に、人数が多ければ多いほどコミュニケーションが複雑になります。
その複雑になったところでおもしろいハプニング(問題)が起こります。

外出しない
家にいてばかりだとハプニングが起こりません。
自分の住み慣れた環境であれば体や頭に染み付いた行動でしか動きません。
だから、なにもハプニングが起こりません。

マジメな性格をしている
マジメな性格の人は常識にそって生きているので問題を起こすことがありません。
ハメをはずすことも無いのでハプニングが起こりません。

「すべらない話」を持っている人の特徴


人付き合いが多い
「すべらない話」を持っている人は、友達が多かったり、飲み会やどこかに遊びに行く事が多いです。
おかしな出来事は他人のコミュニケーションをとっていたり、知らない場所で発生しやすいです。
自分の慣れない人物や環境によって思いがけない展開に巻き込まれます。
例: 芸人さんは仲間と一緒に飲み会をしたり、遊びにいくことが多いです。

変わった人が身近にいる
面白い話は狙って作れるものではありません。
身近に変わった人がいると、その人が面白いことを起こします。
それを「○○さんの話なんですけどね」という切り口で話をできます。
例: お笑いコンビ・雨上がり決死隊の宮迫さんがウケを狙う時は、奥さんの話をします。
「鬼嫁」と言われる奥さんがいる人は、奥さんにされたひどい話で笑いをとります。

おかしな性格
いい加減な性格の人はおかしな行動を起こしやすいです。
常識外れな行動を起こし、面白い展開に巻き込まれやすくなります。
例: お笑いタレント・宮川大輔さんはおかしな動機で行動を起こします。

ダメな話し方


無駄な言葉が多い
話している途中に話がそれる言葉を使っている。
そのため聞き手が話の続きを早く知りたいのに、もどかしく感じてしまう。
以下は例。
  • 思い出すのに時間がかかる: 「それで…、なんだったっけ…」
  • 表現する言葉を考える: 「えっと、○○?いや、□□かな?」
  • 思い出し笑い: 「そこでね…ははっ(笑)」

展開がイマイチ
説明的な話し方で淡々と話すと、話が平坦で盛り上がりません。

オチまでの展開が長い
面白い話をしようとしすぎてオチまでの展開が長い。
結果、聞き手が途中で話に飽きてしまう。
例: 終業式で終わりの見えない校長先生の話。

途中までは面白い
話の途中までは面白い話だけど、オチが無い。
また、盛り上がらない普通の話をもったいぶって、あたかもオチがあるように話すと、聞いている人が肩透かしを食らう。
いくら話の途中の展開が盛り上がって面白くても、最後の展開に意外性が無ければ、オチの無い話になります。
また、聞き手は、話を聞いているうちに面白さの期待度をどんどん上げていきます。
話の展開が面白ければ面白いほど最後にとんでもない展開が待ち受けていると錯覚しだします。

オチがバレる
話している途中で、聞き手がオチに気付いてしまう。
話の途中にオチを連想させる重要なことを含んでバレてしまい、オチを言っても意外に感じなくなってしまいます。

緊張しすぎ
自分がメインに話しているときに周囲から見つめられ、緊張してうまく話せない。
すべらない話は周囲の視線が話し手に集中します。
スムーズに話せるか?オチまで噛まないか?オチで笑いが取れるのか?といったとてつもないプレッシャーが掛かります。

うまい話し方


感情を込める
冷静に話していると聞き手が心理的に冷静になるので盛り上がりません。
そこで感情(※テンション)を込めながら話すことで聞き手の感情を盛り上げるようにします。

以下は「驚き」があった場合の表現の例。
  • 「えぇえええ~?!」
  • 「いやいやいやっ、ちょっと待って、待ってよぉ~!!」

テンポよく話す
テンポよく話すことで聞き手を話のリズムに乗せましょう。
面白い体験談を頭の中で整理しておくことでスラスラ話せるようにします。

身振り手振りを付ける
手や体、表情などに動きをつけ、話を視覚的に表現します。
言葉だけだと淡々としてしまうので見た目で雰囲気を伝えることで、聞き手に理解させやすくする効果があります。
例: 車の運転の話をしている時に、ハンドルを握って運転している動作を付ける。

細かく説明する
心理状態(自分や他人)、体の状態(自分・他人の状態)、状況(自分・周囲の状況)などを細かく説明します。
例: 「そんとき明らかに『えっ?この人 私に惚れてるんちゃうん?』って顔をしやがるんですよ。ゴリラ顔なのに」

嘘ではなく誇張する
話が「確実に嘘」だと感じると、聞き手が話への興味が冷めます。
話をするときは少し大げさ気味に話すことで、どことなく嘘っぽいけど面白いってあたりで話します。
嘘の例: 「そのおばあさん、首が360度まわってて」
誇張の例: 「そのあばあさん、首が360度まわるぐらいの勢いで」

オチにツッコミを入れる
オチをつけて笑いをとったあと、オチの展開に「感情的なツッコミ」を入れて再び笑いをとるようにします。
また、オチがオチ切れてなかった(※オチが分かりづらい)のを防ぐために、ツッコミを入れることによって笑いをとる効果もあります。
例: 「そんときに明らかに『えっ?この人 私に惚れてるんちゃう?』って顔をしやがるんですよ。ゴリラ顔なのに。絶対にお前だけは好きになるかっっ!!」

話を整理しておく
できるかぎり話を面白くしたいのであれば、話を整理しておいた方がいいです。
友達に話すレベルならともかく、面白い話をしなければいけないような状況が決まっているのなら、話を整理しておきます。
話に「起承転結」を付けたり、オチがばれていないか確認しておきましょう。

注意
気を付けなければならないのが「不謹慎な話」「犯罪の告白」など、「社会的に問題な内容」でウケを狙うことです。
面白いと思って話すと、嫌われたり、バッシングされたり、通報されるなどの結果が待ち受けています。
テレビ番組である女性タレントさんが過去に集団万引きをして店を潰した話を披露し、謹慎処分になりました。
特にインターネット上など、公の場で告白しないように、というより問題行為はしないようにしてください。

裏技
もしオチをつけた瞬間に周囲が大爆笑したのなら、ある裏技が使えます。
それは「リピート」です。
一度ウケた部分をもう一回言うことで再び笑いを誘います。
例えば、「そこでオカンの顔にゴキブリがついて『ぎゃーーーーっ!!』」と言ってオチをつけた時に周囲が大爆笑したら、もう一度「ほんと、まさかでしたよ。オカンの顔にゴキブリがついて『ぎゃーーーーっ!!』ですからね」と言うことで二度目の笑いを誘うことができます。

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「すべらない話」の作り方


まず、「意外な結末を迎えるオチがある体験談」を用意します。
例えば、「スーパーで買い物をしている途中で、かわいい女の子がいることに気付き、メールアドレスの交換をしようと思ったら、子供がいた。」という展開。
この「(好きになった人に)子供がいた」という意外な展開が、オチになります。
あとはオチを迎えるまでの展開を盛り上げる話し方が重要になります。

「こないだスーパーであった話やねんけど、スーパーで買い物しててんや。
で、お菓子売り場でなんかええのないかな~って探してたんよ。だって俺 お菓子好きやんっ(笑)
これもええな あれもええなって探してたら、遠~くの方に女の子がいることに気付いたんよ。

チラッと顔 見たら、そりゃ~めちゃくちゃタイプだったんですわっ!
とにかく絶っ対この子と仲良くなりたいから、メールアドレスの交換をしたいって思ったわけよっ!!
その時点で俺の頭の中には、二人が付き合ってる絵があるくらい好きになってしもうたんっすわっ!!(笑)

相手がどんどん近づいてくるわけ。マジであかんほど心臓バクバクしてくるんよっ!!
女の子との距離をうかがいながら、くるぞっ くるぞって待ち構えてたんやけど、いやっ、ちょっと待てよっ!、と。
いきなり『メールアドレスの交換してくださいっ!!』って言っても、『はい、しましょうか!』って返事が来るのか?って疑問が沸いたわけ。
でも女の子との距離がどんどん縮まってきて、もうええわっ、変な人に思われてもええから『メールアドレスの交換してくださいっ!!』って言おうと。
あと1メートルぐらいの所に来たから、よしっ、いったれ!!って思った瞬間やっ!!

その女の子の所に、「ママ~」って子供が来た……。
子供おるんかいっっ!!」

上記の例文(※作り話)のポイント
  • 心理描写や状況描写を何度も入れて臨場感を作り出し、聞き手があたかもその場にいるような感覚にさせる。
    また、心理状態に「押し引き(※メールアドレスを交換する or 交換をためらう)」を入れ、「交換をためらう」ことで話の「起承転結」の「転」にする
  • オチの「子供がいた」を見抜かれないようにするため、「子供」を連想させることは絶対に話さない
  • 「その女の子の所に、『ママ~』って子供が来た……」というオチだけだと展開が理解しづらいので、はっきり何が起こったのかを説明するため「『子供おるんかいっっ!!』」とツッコミを入れる
  • 上記の例文は作り話ですが、実際にこういう展開に出くわすためには、店内で女の子とメール交換しようと思う人間性をしている必要があります。
    つまり、羞恥心を持っているマジメな性格の人は、こういった面白い展開に遭遇しにくいということになります

とりあえず、もう一話。
「こないだね、証明写真が必要になったから撮りに行ったんですよ。
店の前に証明写真撮るやつあるやないですか。機械に入る時にものっすご恥ずかしいやつ(笑)
近所に無いから探して探してよ~やく見つけたんですけど、先に客が入ってたんですよ。

チラッとカーテンの下見たら、ブーツが見えて、あっ!女の子か、と。
まあ、ゆっくりと待つか、と思いながらケータイ イジって待ってたんですけど、これがなかなかなんですわ~(苦笑)
どんだけ時間かかっとるんちゅ~ねんって思いながら待ってたんですけど、待てど暮らせど一向に出てこ~へんのですわ。

さすがに『すいませ~ん、まだですか~?』って聞いたんですけど、完全にシカトですわっ!!
いくらなんぼなんでも時間かかりすぎやから一回怒鳴ったろかと。
でも、ここは心の広さ見せたろ思て、待ってやろっと。そのかわり、こっちは我慢するからそっちはかわいい子が出てこいよっと(笑)、そしたら許したるわって。
でも、どんだけ待っても出てこ~へんのですわ。
これ、ひょっとして死んでるんちゃうん?証明写真撮りながら死んだんちゃうんって。
俺、第一発見者やんっ!!
これヤバイ思て、『大丈夫っすかっ?カーテンあけますよっ?』って断ってから、カーテン ガバーーッてあけたんすわっ!!

そしたら誰もいいひんのですわっ!!
えぇ~っ!?思て、下見たらロングブーツが立てて置いてあった…。
誰のイタズラやねんっ!!待った時間返せっちゅ~ねんっ!!」

「すべらない話」がイマイチになる原因


「すべらない話」がいまひとつ盛り上がらない原因は2つあります。
まず一つ目の原因は、「すべらない話」はタメ口で話すと面白くなりやすいですが、敬語や標準語で話すと表現があっさりになってしまい盛り上げにくくなります。
「先日、スーパーで体験した話になりますが、スーパーで買い物をしていたんですね。
お菓子売り場でなにかいい商品がないものかと思いながら探してまして。
これもいいな あれもいいなと探していた時に、遠くの方に女性がいることに気付いたんですよ。

さりげなく顔を拝見したら、僕のタイプだったんですね、ええ。
この女性とお近づきになりたい思ったので、メールアドレスの交換ができればなあ、と。
その時点で私の頭の中には、二人でお付き合いしている絵があるくらい好きになっていたんですね。」

以上のように敬語っぽい感じで話すと、やんわりした話し方になりイマイチ盛り上げ切れません。
年上や仲良くなれてない人を相手に話す時には、どうしても敬語で話すので盛り上げにくくなります。

次に、盛り上がらない原因の二つ目ですが、「すべらない話」がイマイチになってしまう決定的な原因を紹介します。
それは、オチ(※話の結末)が肩透かしになっていた場合です。
「もうあと1メートルぐらいの所に来たから、よしっ、いったれって思った瞬間やっ!!

あまりの緊張に声が出~へんくなってしまって、あわあわしてしもうたんやわ(笑)。
あの時、声掛けておけば良かったな~っていう話なんですけど…。」

聞き手のオチに対する期待度を上げておいたのにも関わらず、特に何もしない上、なにも起こらなかった展開。
このような話をすると聞き手から「で、オチは?」と聞かれてしまいます。

このようなオチが盛り上がらないエピソードを持っていた場合は、「すべらない話」として披露しないようにしましょう。
エピソードが面白いか面白くないかをきっちり判断して、面白くなければ話さないようにするのもすべらないコツです。

もしエピソードに関わる当事者を聞き手の誰も知らないのであれば、オチを作ってしまうという裏技もあります。
といっても、嘘がバレたら嘘つきだと思われてしまうリスクはありますね。

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最後に


以前、バラエティ番組『笑っていいとも!増刊号』で、お笑いコンビのオードリーの若林さんが話していたお茶目な苦労話を紹介します。
若林さんが話すには、「バラエティ番組に出演すると面白いエピソードを話すよう要求されるので困っている」とのこと。
日頃から面白いエピソードを持っていなくてはならないと思ったらしく、プレッシャーを感じていたそうです。
ある日のこと。若林さんは自転車で走行中、ハプニングを期待して握っていたハンドルをブルブルブルっと前後に揺さぶったらしいです。すると…。
なにひとつ面白いことが起こらなかったそうです……。

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芸人さんのお仕事というのはエピソードトークをすることが多いので、プライベートで面白いエピソードを仕込んでおく必要があるんですよね。
じゃあ、なんで目的としていたハプニングを期待した行動は失敗に終わってしまったのか?
それは若林さんのように狙って面白いことを起こそうと思っても考えながら行動するのでハプニングを回避してしまうんですね。
人間は危険だと感じることには反射的に回避してしまうので、ハンドルを揺さぶったとしても心のどこかで危険にならないよう制御していたのかもしれません。
「すべらない話」の“もと”になる面白いエピソードはハプニングが起こることで生まれるので、もし狙って作ろうとしても危なっかしいハプニングを回避してしまって作れないんですね。
だったらどうすれば作れるのか?っていうところなんですが、それにはハプニングが起きる確率を高めるしかありません。

もともと自分が周囲から面白いと思われれているのであればそのままでも構いませんが、面白エピソードを起こす環境作りが必要になります。
それには「1. 出来事を起こす回数を増やすため外出」、「2. 出来事に遭遇する回数を増やすための交遊」「3. 出来事を起こす回数が多いキャラが濃い知り合いを作る」の三点が必要になります。


また、いくら面白いエピソードを持っていたとしても伝えるのが下手だと面白さが半減どころか「すべる話」になってしまいます。
面白いエピソードをうまく伝えるためには、体験したハプニングを面白く伝える表現力豊かな話術力も必要になります。

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