「M-1グランプリ2010」一味違った最終決戦

「M-1グランプリ2010」の最終決戦を料理バトルに例えながら振り返ってみたいと思います。

和食料理王最終決戦。
「その日一番おいしい和食を決める大会」はクライマックスに突入。
その最終決戦に勝ち上がった料理人はスリムクラブ、笑い飯、パンクブーブー。

まずトップバッターのスリムクラブが用意した料理は、過去大会の常識を覆す非常に難解な料理だった。
誰もが一見すると「なにこれ?」と思ってしまうほどの珍品だった。
これまでの大会の傾向はテンポよく食べることができ、品数重視だった。
逆にスリムクラブの料理は一品をじっくり味わうタイプだった。
でもひとたび口にするとその今までに味わったことの無い絶妙な味が口の中で広がる。
好き嫌いはハッキリと別れるが、少なからず審査員には大好評だったことは一品目の点数から見て取れる。
ただこの料理は「和食なのか?」という迷いが審査員達の頭によぎる。

続いて、笑い飯。
今年の笑い飯は明らかに何かが違った。
毎年想像も付かない食材を使い、審査員達の舌をうならせてきた。
また、料理研究家達の間でも絶賛されるものでもあった。
だが、去年の大会で“鳥を使った料理”が好評だったためか味をしめ、今年も似た料理を出してきた。
その作戦が功を奏したのか一品目で最高の評価を得た。
しかし、二品目は食材の扱いが難しかったのか、ひとつひとつの味付けがあまりにもイマイチに。
審査員達は眉間にシワを寄せた。

最後はパンクブーブー。
一品目でもしかしたら二年連続優勝か?と思わせるような隠し味が利いた料理だった。
前年度優勝した時の王道な料理とは違い、食べ始めはいたってシンプルな味だが、一口一口の食べ終わり頃に斬新な味が口の中で広がり、審査員達を魅了していった。
しかし、二品目にまさかのとんでもない事態が起きた。
一品目と同じ味の料理を出してしまった。
笑い飯も一品目と二品目がほとんど同じだったが、笑い飯の場合は味付けが違った。
一方、パクブーブーは隠し味を最大の武器と考えたのか、味付けそのものをまったく同じにしてしまったことが問題だった。
審査員達は食べ始めた直後、一品目ともろかぶりな味に、この料理では優勝させることはできないと悟った。

そこから審査員達の苦悩が始まる。
結果として大会後の各審査員達のコメントからいかに悩んでいたかがうかがえる。

松本人志「いや、ほんと僅差で。もうスリム飯って書いてやろうかと」(笑い飯に投票)

どちらに入れてもおかしくないくらい迷った心境をユーモラスに答えた。

島田紳助「ネタを逆にしていたら全員笑い飯ですよ。それをやっぱり二本目のクオリティーで落ちて、ネタを逆やからスリムクラブというね、とってはいけない人に入れてしまうんですよ」(スリムクラブに投票)

笑い飯へズバリ核心を突いたコメント。

宮迫博之「あの、僕スリムクラブに入れてしまったけど、ボタン押す時にものすごく震えてしまった。これ押してええのかしら」(スリムクラブに投票)

スリムクラブに投票することに対して戸惑いが生まれるほど、彼らがいかに異彩を放っていたのかが分かる。

渡辺正行「いや~あの、パンクブーブーがね、最後ネタをパターンを変えてくればね」(笑い飯に投票)

やはりパンクブーブーの失敗は誰が見ても明らかだった。

残念ながらパンクブーブーの料理は最初から選考から外れたものの、スリムクラブと笑い飯のどちらが料理王にふさわしいのか見極めが難しかった。
そもそもこの大会は「その日一番おいしい和食」を決めるはず。
スリムクラブの出した料理は非常においしいが、はたしてこれは和食なのか?という疑問符が付く。
あの料理は「和食」というより「超おいしい珍品料理」だった。

では笑い飯の出した料理はというと、一品目こそ至高・究極の料理だったが、二品目があまりにも微妙すぎた。
「その日一番」という観点から見ると妥当とはいえない。
そこで審査員達の投票結果が真っ二つにわかれ、「僅差で笑い飯優勝」につながった。

和食料理王もはや10年。
人気料理人を輩出してきた和食料理王も今回をもって終了する。
存続を希望する声が多いなか、“締め”を飾ったのは9年連続決勝に進出し、見る者を笑いの渦に巻き込んだ「笑い飯」だった。

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