キングオブコント2009優勝した東京03の勝因

今大会で2回目となる「キングオブコント2009」は、
東京03さんの優勝で幕を閉じました。
そこで、優勝を決めた勝因を分析してみたいと思います。

ところで、ネット上では
サンドウィッチマンさんのネタの評価も
高いようですが、優勝した東京03さんにあって
二位になったサンドさんになかったものは何なのか?
二組のネタを比較して分析してみます。

さて、キングオブコントは、
いかに審査を任されている芸人さんに
ウケるネタができるのかが勝負の分かれ目となりますが、
そこで、芸人ウケするコントネタとは何なのかを分析すると
「舞台劇風なネタにする」というのが必要になるようです。

ポイント!

1:舞台の広さを使う(移動する)
2:動く(動きでボケる)
3:劇のような絡み方をする
(3-1:会話調でやり取りする)
(3-2:声を張る)
(3-3:感情的な心理状態を言葉や行動に出す)
(3-4:ストーリーに緊迫感がある)
(3-5:物語が進展する)
(3-6:人間関係が変化する)

この3点が「舞台劇風」なネタになる要素です。

以上の要素を踏まえると、サンドさんのネタには
「劇のような絡み方をする」という所に問題があり、
コンビでの会話のやり取りに
「起承転結的な盛り上がりが無い」のが
裏目に出たようです。

というのも、サンドさんがネタを作る時は、
必ず「職業もの」にするんですね。
で、なんで職業ものにするのかというと、
職業上の決まったセリフや行動があって、
その決まりを裏切って笑いをとるスタイルをしています。
ただ、そこでボケ担当の富澤さんは、
職業上の冷静なセリフと行動しかとらないし、
伊達さんは富澤さんがボケるための
フリを入れるセリフか、怒った言い方のツッコミを入れることが
メインになってしまっている。
以下のような感じ。

(※紫色の文字がボケ。赤色の文字がツッコミ)

「よいしょ」
「今日はどんな感じで?」
「今日はちょっと決めてないからね、
そろえる感じでいいかな」
じゃあ、先に休憩入りますね
のんきかっ!!、お前
 みやすのんきかっ!!、お前
 おかしいだろお前、客が来たら切れよっ!!

「ああっ?!、じゃあ先にシャンプー入ります」
「おうおうおう」
押し倒します
何で押し倒すんだよっ!!、急に
 普通に倒せよ

「倒します、失礼します
 ……前、失礼します」
「あいよ」
(伊達の手の上に白い布をかける)
……手錠してるみて~になってるじゃね~かっ!!
「はい?」
「護送中…」
「ああっ、すいません」
「おかしいよね?」
「はい」
「髪の毛洗うんでしょ?」
「はい」
「わ~っとかけてよ」
「あっ、わ~とかけますね」
「はいはい」
「失礼します」
(伊達の顔以外に白い布をかける)
……弁慶かっ!!

ネタ自体は面白いのですが、
それぞれの登場人物がサバサバした感じに
なってしまっているんですよね。
原因としては、伊達さんと冨澤さんともにクールな性格のため、
感情的な心理状態の表現のセリフが
ほとんど無い状態になっている。
それがサンドさんのネタが淡々とした作業的に見えることで
ストーリーに盛り上がりに欠け、
ボケたらツッコミを入れる流れを繰り返していることで
漫才っぽく見えてしまう原因なんですね。
だから、「舞台劇風」に見えづらいという訳です。

一方で、東京03さんのネタ。

「来て良かったね」
「三人で旅行なんて大学以来だもんなっ」
よ~し、素敵な思い出をたくさん作っちまおうぜっ
気持ちわりぃ
 お前ほんと気持ちわりぃいな角田っ

「飯塚っ」
「やべぇ、俺テンション上がってきちゃったよっ」
「飯塚君が一番楽しみにしてたもんね」
「そう言えばよ、ここの露天風呂、すっごいらしいぜっ」
「まじでっ?」
「まじでっ!」
「俺、ちょっと見てくるわ、イェ~!!」
「イェ~!!」
…………(豊美を見つめる角田)
「豊美」
「なに?」
(軽いハーモニカ)
やっと気付いちまったんだ、自分の気持ちに…
 最初は何かと思ったぜっ、なんだよこれってっ
 愛だった…
 愛が騒いで夜も眠れね~よっ!!

(激しいハーモニカ)
「俺と付き合ってくれっ」
むりむりむりむり…
「無理?」
「無理!」
……わっかりました…

以上のように、
初めの方は旅行に来れたことで全員が興奮して明るいが、
告白するために急にまじめな雰囲気になり、
そして熱く告白するがフラれ、
気持ちが冷めて終わる展開をしている。
そこには「感情的な心理状態が見て取れる」ようになっている。
また、告白するが振られてしまい
一転して二人の関係がギクシャクする展開が行われ、
人間関係も大きく変わっている。
たったこれだけの間ながら
進行する物語には起伏があり、飽きさせない展開になっていた。
そこには、サンドさんのネタには無い
「起承転結」が感じ取れる内容をしていた。

ちなみに「しずる」さんのネタに注目してみると、
一本目の「冥土の土産ネタ」では、
物語の始めこそ二人の登場人物が
敵対関係になっているが、
そこから二人が
「『めいどのみやげ』とは何か?」と相談するうちに、
徐々に協力的になっていく展開をしていた。
また、二本目の「卓球の試合ネタ」では、一本目とは逆に
二人の仲が協力関係から始まり、
「彼女を奪われた」という憎しみから
敵対的な関係に発展する内容をしていた。
そこには東京03さんのネタと同様で、
物語に「人間関係の変化」があることで
盛り上がる展開でストーリーにぐいぐいと
引き込まれるように作られていた。
結果、今大会3位の好成績を残した。

結局、サンドさんのネタより東京03さんのネタの評価が
高かったのは、最初に挙げたポイント1~3のような
絡み方をすることによって、作り出されたストーリーが
「劇」のようになり、そして「コントらしくなる」ということを
評価されているのだろうと思われる。

結論。
サンドさんのネタのほうがひねりが効いていて
「一発一発の面白み」があります。
現に管理人も思わず吹き出して笑わされてしまいました。
ただ「コントらしさ」の点から見ると、やはり東京03さんのほうが
「ストーリー展開」や「キャラ」などの構成力が
「圧倒的に高い」と言えます。
だから、東京03さんの二本目の「旅行ネタ」に、
953点の高得点が付いたのも不思議では無い訳ですね。

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