落語のネタの作り方のコツ

落語のネタを作るのに興味がある方へ。
話に面白みを作るための簡単なコツをまとめてみました。

登場人物に個性を付ける


登場人物が2人の場合、以下のように人物像が「対照的になる」ように個性を付けます。
似たような人物が登場すると観客が混同するので、観客の聴覚(耳)や視覚(目)に訴えて人物像に違いを感じさせます。
※人物像を対象的(真逆)にすると違いが分かりやすくなりますが、個性さえ付ければ違いは分かるので、すべてを対照的にする必要はありません。

声質
声の雰囲気に違いを出します。
※喉(のど)に負担の掛からないようにしてください。
例: 一人は普通に、もう一方は低い声 or 高い声にする
例: 一人は低く、もう一方は高く

話し方
話し方の速さに違いを出します。
※話し方の遅い人物は観客をもどかしくさせます。
例: 一人は普通に、もう一方は遅く or 速くする
例: 一人は遅く、もう一人は速く

性格
考え方や行動などに違いを出します。
性格は職業に起因するので、例えばお坊さんなら賢そうな性格、力仕事の職人なら荒っぽいなど、職業に合わせた性格を作るといいでしょう。
とはいっても、あえて逆にする方法もあります。
例えば、言葉遣いが悪いお坊さん、丁寧すぎる話し方でオカマっぽい力仕事の職人など。職業のイメージとギャップ(正反対)を付けた性格にするといいでしょう。
例: 一人は冷静・まじめで、もう一方はがさつ・ふまじめにする

話す向き
話すときの顔や体の向きに違いを出します。
例: 一人は右に向かって、もう一方は左に向かって
例: 一人は右向き、もう一人は左向き

動き
体の動き、顔の表情に違いを出します。
例: 一人は動きを少なく、もう一方は落ち着きのない感じでよく動く
例: 一人は表情豊かに、もう一方はすまし顔

道具
道具(例: 扇子)を使って見た目に違いを出します。
※道具を扱う「動き」で人物像を表現することができます。
例: 一人は身振り手振りで、もう一方はキセルに見立てた扇子を使う

このように対照的なキャラクターを作ることで登場人物の人物像に個性が際立ち、話が単調になるのを防いだり笑いを誘うことができます。
もちろん二人以上登場する際にも、それぞれキャラクターを付けます。
この他にも違いを出せると思うので考えてみてください。

話に面白さを作る


落語で笑いを誘う部分を大きく分けると二種類あり、「単発の面白さの部分」と「伏線の面白みの部分」に分けられます。

単発で笑いを誘う
「単発の面白さの部分」は、話の所々に漫才で言うボケ的なおもしろみを作り、笑いを誘います。
片方がおかしなこと(ひねりの利いた面白いこと)を言い、もう一方はそれを指摘するか反応します。
漫才のように言葉で掛け合い、笑いを誘っていきます。
単発の面白さの部分の例

「ちょっと“いっぱい”飲ませてよ」
「“一杯”だけだからね」
「ゴクゴクゴク(※15秒くらい続ける)……ぷはっ~」
「あんた、どんだけ飲んでんだよっ!!」
「確かに“いっぱい”飲んだよ」

伏線で笑いを誘う
伏線には「キャラクターによる伏線」と「ストーリーによる伏線」があります。
「キャラクターによる伏線」は、登場人物になんらかの個性(※結果的には問題になる)があり、その個性を話の前半のほうで示しておき、後半でその個性がきっかけで問題が発生して面白さを作り出します。
有名な落語の話で「寿限無」というのがありますが、寿限無の場合は「長い名前」というのが「キャラクターによる伏線」です。
のちに同じことをしようとしますが、長い名前を言い切るのが面白みになっています。

もう一方の「ストーリーによる伏線」は、話の始めのほうで何かしらの出来事を示しておいて、後半でその出来事がきっかけで問題が発生して面白さを作り出します。
有名な落語の話で「時そば」というのがありますが、時そばの場合は「勘定を数えている最中に、時刻を聞くとごまかせられる」というのが「ストーリーによる伏線」です。
のちに同じことをしようとしますが、うまくごまかせないところが面白みになっています。
ちなみに、伏線は起承転結の転の部分で問題が発生することに使う場合と、起承転結の結(落ち)の部分に使う場合の二種類あります。

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動作や音で笑いを誘う
落語の面白さの中で「実際に何かをしているかのような動作や音を出して笑いを誘う」ことがあります。
例えば、「焼きたての熱いおもち」を演じます。
「ふ~ふ~ふ~」と息を噴きかけながら、手でおもちをつかんで伸ばしながら二つに分けて、ほおばって、「はふはふ」言いながらよく噛んで飲み込むといった一連の動作を「大げさにする」ことで笑いを誘えます。
このように大げさ気味のリアルな動作と音を演じるような設定をストーリーに入れると面白くなります。

ポイント


いつ?(時代背景)
落語に登場する時代はひと昔前です。
時代ごとの文化があるので、ストーリーを作る際には勉強しておく必要があります。
また、落語家は背景を知っていても観客が知っているとは限らないので、場合によっては話の冒頭部分の「枕」で説明する必要があります。

どこで?(舞台)
※実在する場所(情報)を盛り込めば観客の知的好奇心を煽れます。
例えば、「今で言う○○に当たる場所」「今で言う○○に当たる職業」のように、昔と現代での呼び方や仕組みの違いを取り入れると「へ~、なるほど!」と観客に思わせることができます。
  • 家(長屋)
  • 店(※特に昔ならではの商売をしている店)
  • 旅先

だれが?(関係性)
主従関係(一方の主張をもう一方は従わなければならない)、上下関係(上のほうが下よりも偉い)、犬猿の仲(一方の主張をもう一方が合わせない)、バカ二人(一方のおかしな主張をもう一方が受け入れる)など。
  • 夫と嫁
  • 親と子
  • 兄と弟
  • 兄貴分と弟分
  • ご近所さん
  • 家主と借主
  • 店主と客

なにを?(目的など)
登場人物は何をしたいのか?
  • 目的を目指す ≫ 目的とはズレたことをする(せざるを得なくなる・ズレた結果を招く) ≫ おもしろみ
  • 目的を目指す ≫ ※過剰に演じる ≫ おもしろみ
  • 目的を目指す ≫ 目的を達成する ≫ ※観客が満足する

お役立ち


情報

演目

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ストーリーの作り方




本題に入る前の説明の部分
※「枕」が終わったら羽織っていた物を一枚脱ぐか、見台(机)を拍子木でポンッと叩いて観客に「起(物語)」に入る合図をします。
※「枕」では観客にツッコミを入れることもあります。


物語に入る。


物語を進展させる。


「起」または「承」に入れておいた伏線が原因で問題を発生させます。


話のオチ

秘訣


話を丸暗記、そして練習あるのみです。
言い間違い、言葉に迷う、照れるなど、観客が見ていて話が面白いかどうか以前に落語家として安っぽく見えないようにしましょう。
これは落語家自身への課題です。

次に重要なのは客層です。
年配者を相手に話をするのか、若者を相手にするのか、幅広い客層を相手にするのか。
年齢や性別によって好まれる話の人物像やストーリーが違うので、客層に合わせた演目をしましょう。

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