テレビで人気が出るお笑いネタの作り方

テレビで人気者になれるお笑い芸人になるための人気が出るネタの作り方を紹介します。

今や、ネタ番組に出演すれば、女性観客からキャ~キャ~言われるほどの人気になった「お笑い芸人」という職業。
そんな人気お笑い芸人さんに一歩でも近づき、スターへなりたいと思うのに、いまひとつ売れていない芸人さんたちがたくさんいると思います。
そこで人気が爆発して売れるようになるためにはどんなネタを作れば良いのかを教えます。

そもそも、売れている芸人さんとは対照的に、なぜ、あの芸人さんは人気が出ないのだろうという書き込みをインターネット上で見ます。
面白いはずなのに売れていない。
売れていない芸人さん自身も人気が出ない理由がわからず悩んでいるのだろうと思います。
その理由がわからない限り、一生テレビには出られず、舞台芸人として活動するしかありません。

まず、テレビで売れるためには「ネタに特徴を作ること」が大事です。
よく素人さんやお笑い芸人になりたての人のネタにありがちなのは、ネタに特徴がありません。
そのため個性がなく観客の記憶に残りません。
そこでネタを作るときには「決まったネタの展開を作る」ことが大切で、「骨組み」を作ることから始めます。

超人気芸人さんの「骨組み」の例


ナイツ
  1. 塙さん(ボケ担当)が何かのテーマに沿って話しながら、ダジャレっぽく言い間違える
  2. その言い間違えた部分を土屋さん(ツッコミ担当)が説明的なツッコミを入れる
  3. 1に戻り、流れを繰り返す

オードリー
  1. 若林さん(ツッコミ担当)が何かのテーマに沿って話をする
  2. そこに春日さん(ボケ担当)が間違ったツッコミをするか、または流れに関係の無いことを言い始める
  3. それに対して若林さんがツッコミを入れる
  4. 1に戻り、流れを繰り返す

NON STYLE
  1. 井上さん(フリ&ツッコミ担当)が何かのテーマに沿って話しながら、石田さんにフリを入れる
  2. そのフリを使って石田さん(ボケ担当)がボケる
  3. そこに井上さんがツッコミを入れる
  4. 続けて石田さんが自分の太ももを叩きながら自分にツッコミを入れる
  5. それに対して井上さんがツッコミを入れる
  6. 1に戻り、流れを繰り返す

アンジャッシュ
  1. 渡部さん(フリ担当&ツッコミ担当)が話をする
  2. 児嶋さん(ボケ担当)が渡部さんとは別の話をするが、なぜか違う話同士が噛み合う
  3. (※ネタによっては渡部さんが児島さんの発言・行動にツッコミを入れる)
  4. 1に戻り、流れを繰り返す

このようにテレビで人気者になったお笑い芸人さんのネタには「骨組み(決まったネタの展開)」があり、同じボケ方やツッコミ方を繰り返しながら観客から笑いを取っています。
また、観客に「決まったネタの展開の面白さを覚えさせる」ことでネタへの好感度を上げています。
決まったネタ展開への好感度が上がれば、その流れを繰り返す限り観客の反応は良く、簡単に笑いが取れるようになります。

さらにハイレベルなネタの作り方を紹介します。
上記のような「骨組み」を何回か続けると、さすがに観客やテレビ前の視聴者は「次もこう来るだろうな~」といった「先入観」を持ち始めます。
骨組みを使ってワンパターンな展開を繰り返すことによって、観客の記憶に「お決まり」が植え付けられている訳ですね。
そこで、ネタの途中で「お決まり」を裏切る・応用する変化を加えてことによって、また新たな笑いを誘うことができます。
では、先ほどの人気芸人さんの「お決まりの裏切り方・応用の仕方」の例です。

ナイツ
  1. 塙さんが話す時には必ず言葉を言い間違える(※「言い間違えるだろうな」という先入観)
  2. 一度言い間違った言葉をもう一度言う時に途中までうまく言えそうになるが強引に言い間違える(「※それまでの流れに無理に合わせるんだ(笑)となる」)

オードリー
  1. ボケた春日さんに対して必ず若林さんがツッコミを入れる(※「ボケのあとには必ずツッコミをいれるだろうな」という先入観)
  2. 春日さんがボケた時に若林さんがツッコミを入れずに無視(スカシ)をする(「ツッコミを入れないんだ(笑)」となる)

NON STYLE
  1. 石田さんが自分の太ももを叩いてツッコミを入れる(※「必ず太ももを叩くんだろうな」という先入観)
  2. 石田さんが井上さんの手をつかみ、井上さんの足へツッコミをやらせる(※それまでの流れに相方を付き合わせるんだ(笑)となる)

このように、『M-1グランプリ』の最終決戦に残る芸人さんのネタは緻密な計算の基に作られています。
「骨組み」できっちり笑いを取りつつ、その「骨組み」を使って先入観を作り出し、それを裏切って・応用して笑いをとる、という観客の心理をたくみに利用した戦略が見られます。
日本一を争う大会ではこのくらいのハイレベルなネタを作れるようでなくてはなりません。

逆に、テレビで人気が出ず、売れていないお笑い芸人さんがいますが、その原因は……ネタに特徴が無いんですね。
人気のあるお笑い芸人さんのネタには「骨組み」があるので、ネタが始まるまでにどのようなパターンでネタをするのかがわかるので「今日もあのネタで笑っちゃおうっ!!」という感じで観客や視聴者が期待をしています。
一方、「骨組み」が無いお笑い芸人さんのネタは、ネタが始まるまではどのようなネタをするのかがわからないので「今日はどんなネタをするんだろ…?」という感じで期待が持てません。
要するに、中身のわからないネタをする芸人さんには興味を持ちづらいという問題が発生します。

また、番組の制作スタッフさんは「ネタの個性を重視して芸人さんを採用しています」。
そのため、「骨組み」が無いネタをする芸人さんは個性が無いため採用しづらくなります。
個性的な「骨組み」のあるネタをする芸人さんを出演させれば、確実に決まった笑いが取れるので「使える」のですから無理はありません。

人気ネタ番組のNHK『オンバト+(以前は、爆笑オンエアバトル)』にはたくさんの芸人さんが出演されていますが、この番組で結果を出している実力派の芸人さんでも意外とほかのネタ番組には出演していなかったり、それほど売れてなかったりしています。
その人気が出ない原因になっているのが「骨組みが無い」からなんです。
オンバトにも出演していてマニアックなネタで、そのコントDVDが好評なラーメンズさん。
彼らは緻密に計算したネタをしていますが、テレビで売れているのか?と聞かれると首を横に振る状況です。
なぜ、彼らはテレビでブレイクしないのか?
それは、個々のボケのレベルは非常に高いと思いますが、「骨組み」が無いため特徴がなく、他局のネタ番組からしたら使いづらいという問題を抱えていたのです。

だから、テレビで売れたいのであれば、自分(たち)のオリジナティー溢れる個性的な「骨組み」を作ることが絶対必要不可欠なのです。

「骨組み」が出来上がったら、次は「肉付け」をします。
この「肉付け」とは何かというと、「ネタをどのようなストーリー展開にするのか?」の部分です。

ナイツさんのネタで「肉付け」を説明すると、「宮崎駿(M-1'08で使用)」「SMAP(M-1'08で使用)」「手塚治虫」「ドラゴンボール」など、誰もが知っているテーマを使ってストーリーを作っています。
そのテーマに関係した言葉を言い間違えることで、元になった言葉とうまく言い間違えた言葉の間にギャップを作り出し、面白さを出しています。

そして、この「肉付け」部分に色々なボケ方などを混ぜるようにします。

最初に「骨組み」を作っておけば、ネタを一から作らなくても、この「肉付け」部分だけを新しいストーリーに入れ変えるだけでネタが作れるようになるので、とっても簡単にネタ作りができるようになります。
ちなみに、関西のベテラン漫才師さんの中には、この「肉付け」部分を「漫才作家」の方に作ってもらうことがあります。
また、「骨組み」の部分を個性的に作りさえすれば、観客や視聴者の興味をひきつけることができるので、「肉付け」部分の個々のボケやツッコミが比較的に単純でも笑いを取れるようになります。
つまり、ナイツさんのようなダジャレ的なボケでも大ウケすることができるようになるんですね。

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特にネタを「ループネタ」にすると良いでしょう。
「ループネタ」とは、同じ展開(パターン)で構成された「フリ」と「ボケ」もしくは「ツッコミ」を繰り返していくことで、観客に一定のネタのリズムに落とし込んで笑いを誘う方法です。
このループネタの効果としては、作り手側(芸人)は最初に構築されたパターンに「ボケ」となる部分を考えるだけで簡単にネタが作れるという点にあります。
また、一定のパターンを繰り返すため、観客にネタ(を含む芸人)を覚えてもらいやすく、ネタ番組等で起用されやすいという点にあります。

ループネタは「フリ ≫ ボケ」の流れを繰り返すため、フリとボケが強調されていることで「ボケどころ」がハッキリしており、そのおかげで観客からすれば面白さがつかみ取りやすいという効果があります。
お笑いに詳しくない素人でも、ここが「フリ」、ここは「ボケ」と分かる構造になっています。

これと比較しやすいのが「コント」や「漫談」です。
コントや漫談はストーリーをコントでは演じ、漫談では語ることで展開させるわけですが、ストーリーが盛り上がる(面白くなる)までに時間がかかるうえ、また、どのタイミングでボケるのか(ボケたのか)が観客からすれば分かりづらい「もどかしさ」があります。
これがコンビによるコントや漫才では相方の反応(ツッコミ)によって、ここがボケですよ!と分かる構造になっていますが、ピン芸だと一人でボケてすぐさまそこにツッコミを入れるという流れだと、わざとらしい小芝居に見えてイマイチ面白さが出せません。

また、コントや漫談はネタを短くするのが難しく、例えば1分以内にネタを短く作り直したり、場合によっては30秒以下でネタを作り直して披露するのが難しいので使い勝手が悪いという問題をかかえています。
その点、ループネタはフリとボケの短いセリフだけで構成されており、なおかつフリとボケをワンセットだとしたら短いネタ時間に合わせたセット数を用意すればいいのです。
例えば、「フリ ≫ ボケ」に10秒かかるとして、持ち時間が一分(60秒)であれば、最低6回はボケることできます。

音楽ではAメロ ≫ Bメロ ≫ サビ ≫ Aメロ…と繰り返しています。
流れを繰り返すことによって覚えやすく、リズミカルになります。
これが曲の一番と二番のメロディーが違うのは、ほとんど聞いたことがありませんよね。

コントの場合はネタの流れが繰り返さないので最後まで流れが読めない展開になっており見る側に緊張感があります。
確かに、そこに面白みがありますが、何が次に起こるか見当が付きにくいため見る側が「待ち」の状態になります。
「待ち」の間は見る側のテンションが低い状態にあり、ちょっと退屈な時間となります。
特にあるあるネタの場合、キーフレーズの部分を除いて、前もってのフリ(笑いを起こすための準備)が短いので見る側の「待ち」の状態が少なくなるうえ、持ち時間内に笑わせる間隔が安定します。
速い人だと「だいたひかる」さんの場合、10秒単位ぐらいでネタが構成されています。
また、同じ言葉や流れが繰り返し行われるため、見る側はネタの流れが予測しやすくなり、見る回数を重ねるごとにリラックスして笑え、もちろん楽しめるわけです。
結論として「ループネタ」は「流れが読めて期待感が増しやすい」「繰り返すため覚えやすい」といったメリットがあるのではないでしょうか。

ただ効果絶大にも思えるループネタにも唯一の欠点があります。
それは同じ流れを繰り返すことでワンパターン(マンネリ)になり、どうせ次もこう来るんでしょ?と観客に見透かされてしまい笑いが起きにくくなることです。
そこでその「どうせ次もこう来るんでしょ!」という先入観を逆手にとって、それを裏切る流れや応用する流れに持っていくのがネタの後半の見せ所になります。
前半でパターンを作り出し、後半でそのパターンを裏切ったり応用する流れにもっていくことで、ネタの構成に深みを出せます。

具体例


※以降、「r」(リピート)印は、ネタの展開(パターン)の最初に戻り、再び同じ展開を繰り返すことを示します。
※芸人さんによっては、複数のネタのやり方を使っている場合があるので必ずしもご覧の記事通りにしているとは限りません。

だいたひかる
「私だけでしょうか?」(フリ)(ブリッジ)

「○○なのは…」(ボケ)(あるあるネタ)

(r)

説明: バラエティ番組『エンタの神様』でよく使われる「ブリッジ」を使った「あるあるネタ」のやり方です。
ホストキャラのヒロシさんも同じやり方をしています。
ふかわりょうさんの場合、ブリッジの部分をピアニカで「(ピポピポ)×2」と吹いて音にしています。

中山功太
セリフ(フリ)
↓(この間は音楽など)
セリフ(ボケ)(フリと一致する内容もしくはあるあるネタ)

(r)

説明: フリのセリフの後に“溜め(ため)”の時間を入れ、聞いている観客に次に何を言うのか分からない心理にさせてからあるあるなボケのセリフを言うことで「種明かし」させて納得感で笑いを誘っています。
「種明かし」というのは最初に意味不明なことを行い、次にその意味不明なことがなんだったのかが分かるようにして観客を「あっ、そういうことか!」と納得させて笑いを誘う方法です。

バカリズム
フリップ(説明・フリ)

ボケ(何かと何かの掛け合わせ)
↓(さらに発展させたボケを入れる)
(r)

説: 最初にフリップを見せて何をするのか分からない心理におちいらせてからフリップをめくり「意外なこと」を「掛け合わせた」ボケが待っています。

COWCOW山田よし
フリップ(フリ)
↓(何枚かめくる)
オチ(何かと何かの掛け合わせ)
↓(さらに発展させたボケを入れる)
(r)

説: バカリズムさんのネタとの違いはフリになるフリップを何回かめくり“溜め”の時間を入れます。
また、カツラなどを着用し「キャラ」を付けています。

陣内智則
セリフ(状況・心理の説明)

おかしな映像(ボケ)

ツッコミ

(r)

説: ボケをスクリーンの映像にしている斬新さがあります。
形としては「ツッコミ」を入れるので「漫才」になっています。

ループネタの作り方のポイント!


フリは「言葉(一言 or セリフ)」にするか、もしくは「絵(二次元※立体的にもできます) or 物(三次元)など」を使います。
あとはボケを「あるあるネタ」なのか「意外な組み合わせ」「合理的な展開(結果)」にします。

かぶせ
一つのボケの後に「かぶせる(ボケを発展させる)」ように追い打ちでボケを入れます。
特にネタの後半では畳みかけるようにボケ倒すことで笑いを増幅させることができます。

伏線
ネタの展開の流れの中に一つのボケが後々別の展開を引き起こす「伏線」を張ってボケを入れます。
観客が「これさっきのヤツだ!」と思って笑いを誘うことができます。

余談
小島よしおさんの「そんなの関係ねぇ」はご覧の記事のやり方も含め、それ以外の色々なパターンが混ざっています。
内容としては、ネタの最初にコントがあり、途中から「ループ」が挟んであります。

勉強


個人的にお勧めしたいのは『エンタの神様』が定期的に放送されているので、番組を録画してループネタをしている芸人さんのネタを書き起こしてパターンを分析してみることです。
今の時代、テレビ視聴者は個性を重視しています。
もしネタに個性が無ければ、その存在は空気のように意識されません。
だからこそ、いままでに無い「骨組み」を作り出して個性を身に付ける必要がある訳なんです。
その作り出した個性が視聴者の感性とマッチした時、1億2000万人の視聴者を爆笑させる人気者になっているはずです。

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