ボケの作り方

漫才やコントで使用する色々なボケの作り方をまとめてみました。

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あるあるネタの三段活用


あるある
起こった、起こしてしまったことを思い出させられるボケネタ。

「確かにそういうことあるある!」と思い出させられるどこかで見たり聞いたり思ったり体験した個性的な出来事を使うボケ方です。
日常生活を送るうえで意識はしていないけど特殊な出来事を誰もが経験していて、その記憶を呼び起こすことを目的とする方法です。
あるいは、大多数の人が共通して持っている価値観に合致することでも可能です。
式: 観客の過去の記憶、もしくは価値観 = ボケネタ

ありそう
起こりそう、やろうと思えばできると思わせられるボケネタ。

「それは起こり得るかもしれないけど!」というような言葉、もしくは心の中でツッコミを入れさせることを目的とするボケ方です。
万人が共通して持っている心理や体験を大げさにすることで意外性を強めます。
※お笑いコンビ・レギュラーさんのネタ『あるある探検隊』は「あるある」「ありそう」「ないない」に分類できます。
式: 観客の価値観 ≦ ボケネタ

ないない
絶対に起こらない、起こしてはいけないと思わせられるボケネタ。

「それはないだろう!」というような言葉、もしくは心の中でツッコミを入れさせることを目的とするボケ方です。
「ないない」は極端な意外性を作り出すことによって面白さを作る方法ですが、意外性だけで面白さを作ろうとすると意味が伝わらないことが多いです。
そこで「ないない」を作るときは、「あるある」な出来事をベースに作り変えたり、または想像しやすい災難や問題行為で疑似的な心理感覚に至らせる方法が有効になります。
※「ないない」と「ありそう」には明確な分類基準がないので、どちらに分類するかは人によって違います。
※「あるある」「ありそう」「ないない」ともに、合理的構造性(納得感)を持たせることで伝わりやすい面白さを作り出すことができます。特に「ないない」は「意外性」だけで構成しがちなので、合理的構造性を取り入れることは非常に有効です。
式: 観客の価値観 ≠ ボケネタ

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つなげる系


ユニゾン
二人(以上)で、まったく同じ発言か行動を同時に行います。
式: 人物(甲)のA & 人物(乙)のA
例: AとBが同時にまったく同じ発言をする

かぶせ
話したり・行動したあとに、続けて先ほどの発言・行動に類似した発言・行動をします。
前段階の発言・行動をさらに膨らませます。

1. 先の発言・行動に続けざま類似した発言・行動をします。
式: A ≫ AB
例: 話した内容にさらに上乗せした発言をする

2. 一つの流れに、さらに同一性を保持した発言・行動を行います。
式: AA ≫ AB ≫ AC…
例: 話した内容にさらに上乗せした発言を続ける

3. 一つの流れに同じ発言・行動を繰り返します。
式: AA ≫ AA ≫ AA…
例: 話した内容にさらにまったく同じ発言を続ける

引き戻し
話したり・行動したあとに少しだけ時間が経過してから、先ほどの発言・行動の続きをします。
前段階の発言や行動を忘れた直後に、もう一度さきほどの続きで観客の記憶を呼び起こします。
式: Aの発言・行動 ≫ ≫ ≫ Aの続きの発言・行動
例: 話している内容が先ほどの発言の続きになっている

天丼
話したり・行動したあとに時間が経過してから、もう一度先ほどの話や行動をします。
前段階の発言や行動を忘れた頃に、もう一度同じ発言や行動で観客の記憶を呼び起こします。
式: Aの発言・行動 ≫ ≫ ≫ Aとまったく同じ発言・行動
例: 話している内容が先ほどの発言になっている

伏線
話したり・行動したあとに時間が経過してから、のちに別の発言・行動と“つじつま”を合わせます。
前段階の発言や行動を忘れた頃に、合理的な発言や行動でつないで観客の記憶を呼び起こさせます。
式: Aの発言・行動 ≫ ≫ ≫ Aが原因で引き起こされるBの発言・行動
例: 話している内容が先ほどの発言がきっかけになっている

突然引用
話したり・行動している途中から、どこかで聞いたことがある・見たことがある発言・行動をします。
観客の記憶を急に呼び起こさせます。
式: 話している・行動している ≫ 作品のあるあるA = 観客の記憶A
例: 話している内容がさりげなく人気曲の歌詞になっている

特殊なつなげる系


反射
特定の事象に対して反応するが、それ以外の似た事象には無反応にします。
特定の反応を観客に気づかせます。
式: Aの事象 ≫ 反応なし、Bの事象 ≫ 反応あり、Cの事象 ≫ 反応なし、Bの事象 ≫ 反応あり(※結果、Bの事象にだけ反応していることが分かる)
例: 好きな話のときだけ反応して、嫌いな話には無関心

ぶり返し
特定の事象に対して反応してしまい、何度も事象が起きるたびに反応します。
特定の反応を観客に気づかせながら、何度も反応をやらされる羽目の苦労感から観客の笑いを誘います。
式: Aの事象 ≫ 反応、Aの事象 ≫ 反応、A ≫ 反応、……(※結果、反応している人物の苦労感が感じ取れる)
例: 特定のBGMが流れると踊ってしまい、終わったと思ったらまた踊らされるのを繰り返す

種明かし
意味不明なことを話したり行動して謎を生み、そのあと理由を説明します。
観客を疑問に思わせ、その謎を解いて納得させます。
式: A(謎) ≫ A(※理由・原因を明かしAの事象の意味が分かる)
例: 疑問に思うような発言をし、そのあと理由を明かす

種明かし
何気ない発言や行動を起こし、そのあとその何気ない発言や行動のおかしかった理由を説明します。
観客が気付かなかったことを明かし、笑いを誘います。
式: A(事象) ≫ A(※理由・原因を明かしAがおかしかったことが分かる)
例: 話している最中に、先ほどの話の中のおかしさを明かす

つなげる+違和感系


掛け合わせ
別々の話に関する特徴のつじつまを合わせます。
二つ(以上)の事象の共通点を使っていることに観客が気付きます。
式: YYY(※AAAYYYとBBBYYYの共通点)
例: 職業Aの話なのに類似している職業Bの話が混在している

ダジャレ
ある言葉とその言葉の発音と同じ、もしくはに近い言葉を一つのセリフ内で使います。
二つ(以上)の言葉の共通点を使っていることに観客が気付きます。

1. 一つのセリフ内で発音が近い言葉を二つ使います。
式: 「AAはAB」(※Aが共通点)
例: 電話に誰も出んわ

2. 前置きで連想される言葉の発音に近い言葉を使います。
式: 前置きの発言(想像的にAA) ≫ 実際の発言はAB(※Aの共通点)
例: 「料理に必要なのは、まな板と切るための、なに?」『校長!(※包丁)』

捉え違い
前置きの発言の意味を話の流れに合わせつつ、捉え間違います。
合っている部分と間違っている部分に観客が気付きます。
式: AA(要求) ≫ AB(応答)(※Aの共通点)
例: 「ここで先生がイタズラをした生徒に手を上げるわけだ」『(※両手を上げて降参ポーズ)』

真に受ける
他人の発言を真に受けさせます。
式: 人物(甲)のA(極端な問題発言) ≫ 人物(乙)のA!?(疑いもせずに真に受ける)
例: 「もし俺が女優Aと結婚したらよ?」『お前、女優Aと結婚するのかっ!!』

落差系


○段オチ
同じ事を複数回続けてから、最後に違うことをます。
式: AA ≫ AA ≫ AB(※Aの流れからBに)

フェイント
1. よくある言葉の言い始めと終わりを変えます。
式: AAB(※AAの流れからBになったことで観客が不意を突かれる)
例: 「ありがとうございましたか?」

2. 前置きを入れて何かをして、その後もう一度同じ前置きを入れ、同じ展開をすると見せかけて違う展開をします。
式: A(要求) ≫ A(反応) ≫ A(要求) ≫ B(反応)(※Aの流れからBに)

3. あきらかに先が読める展開を見せて、それを裏切る展開をします。
式: A(予測できる要求) ≫ A(反応の予測) ≫ B(※Aになるだろうと想像していたらB)

唐突な結末
ある程度長い展開(結末をつける)パターンを見せておき、その後、同じ長い展開をすると見せかけてすぐに結末にします。
式: AAAAA ≫ B ≫ A ≫ B(※長いの流れから短い流れに)

台無しオチ
最後にそれまでの流れを台無しにしてしまうことをします。
式: AAAAAZ(※それまでの良い流れが悪く)

不意打ち
前置きがないところで急に発言・行動します。
式: ………Z(※それまでにない流れに)

違和感系


不一致
本来持っている性質と正反対な組み合わせな言葉を使います。
言葉の前後の流れに違和感を生み出します。
式: MW(※対照的な組み合わせるよる違和感)
例: 「ガリガリな力士」

混乱
一つのセリフの中に似た内容を混ぜることにより、混乱させます。
似た発音や同音異義語などを使います。
式: MMMMMWM(※紛らわしい組み合わせるよる違和感)
例: 「このタラコいくらですか?」

発言即否定
発言した内容をすぐに否定します。
式: A(価値) ≫ B(Aの否定)(※前段階の意味が短時間で矛盾する違和感)
例: 「お前のことが好きだ。でも本当に好きかと聞かれたら好きではない」

矛盾
Aを肯定発言し、次にBを肯定発言します(※結果的にAを否定)。
※一つのセリフ内で矛盾を作る場合と、やり取りの流れの中で矛盾を作る場合があります。
式: A(価値) ≫ B(Aの価値について) = (A ≠ B)(※意味が矛盾する違和感)

本末転倒
一般的に価値が小さいAを発言し、次に一般的に価値が大きいBを発言し、結果的にA > Bとなって価値基準を逆転させます(※逆の構造でも作れます)。
式: A(低) ≫ B(高) = (A > B)(※事象の価値が崩れる違和感)

執拗
ある程度同じボケを続けておいてこれで終わるだろうなと思わせておいて、まだ続けます。
何度も同じことをやっている“くどさ”から笑いを誘います。
式: ZZZZZZZZZZZ(※事象の上限の違和感)

落とし入れ
他者や自分が変な存在や状況に仕立て上げる発言・行動をします。
式: Z(おかしな要求・断定)(※常識的な状況にならない違和感)

スカシ
前置きや発言・行動を無視します。
式: A(要求) ≫ B(※常識的なやり取りを執り行わない違和感)

入れ替え
特定の部分だけ別の言い方などに変えます。
式: AAAAA ≫ AAABA(※常識的な流れにならない違和感)
例: 「童話、桃太郎。昔々、ある所におじいさんとおばあさんがピーしていました。おじいさんは山でピー、おばあさんは川でピーをしていました。」

以上のように、やり方としては大体2通りあって、「どこかとどこかをつなぐ」か、「次にこう来るだろうと思わせておいて違うことをする」と作れます。
その中に、「違和感」や「合理的な構造性(納得感)」を付加すると面白くなります。

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ボケの概念



フリとボケ
フリ(前置き)を必要とするのは、ボケを作る形式(お笑いネタをする、大喜利を行う)によります。
基本は「フリ・お題 = ボケ」の構図を作り出すことにあります。
構造的には「同一性(お題への応答)」と「意外性(お題への裏切り)」を「同時に作り出す」ことにあります。

ボケのみ
ボケだけで笑いを誘う場合は、ボケ単体で完結している構造を作り出す必要があります。
単独で成立するあるあるネタ(共通の記憶を呼び起こさせる)をベースにする、ボケに合理的な構造性(因果関係を内包させる)を持たせる、舞台上であればパフォーマンス(視覚的アプローチ)でボケにおもしろみの付加価値を付けます。

ボケとツッコミ
ツッコミを必要とするのは、ボケ自体に意外性しかなく面白みがないときに、ツッコミを入れることによって「ボケ = ツッコミ」の構図を作り出して笑いに転化する必要があるからです。
「ボケ = ツッコミ」の「納得度」が面白さになります。

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ギャグ
漫才やコントなどのお笑いネタに入っているボケは、芸人の人気に比例して観客(世の中)からの好意が増します。
そこで、芸人に対する好意の延長線上に存在するボケを単体で行っても笑いを誘うことができます。

一発ギャグ
ボケだけで成立する前置き(フリ・お題)が不必要なボケネタ。
単独で成立させるため、あるあるネタをベースにする、ボケに合理的な構造性を持たせる、パフォーマンスでボケにおもしろみの付加価値を付けます。

スベる
笑いを誘ったあとには「他者の反応があって当然」というユーモアに対しての暗黙の価値基準が世の中には存在します。
笑いを誘ったのにも関わらず誰の反応もない、つまり誰も笑わなければ失敗で、スベったことになります。

ボケネタに付加される価値


テキスト
  • 書体(文字の印象※人間で言えば「見た目」)
  • ※作成者のキャラクター性(ネタ作成者の個性、ネタ作成者に対する好意)
※印は、作成者が誰なのか分かっている場合です。文章を読みながら作成者の声や人柄を想像することでボケネタに価値が付加されます。

イラスト
  • 画風(絵の印象※人間で言えば「見た目」)
  • 画力(絵の脱力感、もしくは絵の凄み)
  • ※作成者のキャラクター性(作成者の個性、作成者に対する好意)
※印は、作成者が誰なのか分かっている場合。イラストを見ながら作成者の人柄を想像することでボケネタに価値が付加されます。

パフォーマンス
  • 見た目(動き、メイク、ファッション)
  • 聞こえ方(イントネーション、声色、速度、間)
  • パフォーマーのキャラクター性(パフォーマーの個性、パフォーマーに対する好意)
※「トーク」も同様です。
※テレビで行われているネタを「テキスト」化すると「パフォーマンス(「見た目・聞こえ方」)」が低減・無効化されます。

面白さを作るためには


面白さを作り出す構造を理解し、同一性や合理的構造性など意味が伝わりやすく納得感のある構造を持たせたボケネタを作るようにするといいでしょう。
理解されやすい、そしてなにより説明付けられる構造が存在するように作ることです。

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